;流れ ;紗耶、あやめももに手伝ってもらって着替える ;夏輝覗こうとするが紗耶にKOされる ;夏輝血の涙を流す ;祭り会場へ ;ももスーパーボール釣り ;あやめ射的 ;おっちゃん「あやめちゃんは勘弁してくれ」 ;夏輝「おいおい祭りは皆で楽しむものだろ」 ;景品ひとつだけで妥協 ;清理の占いコーナー ;ぬふふふふ ;個別へ ;叙瑠樹 今日は、年に一度の夏祭りだ。 という話を、今朝がた、紗耶から聞いた。 ……そういう重要なイベント情報を、なぜ前もって知らせない? くそう。紗耶め。 ま、そうは言っても、こんな小さな島の祭りじゃ、タカが知れてるってものだ。 俺は普段着しか持ってないわけだし、準備なんて財布を持つくらいなもんだな。 しかし、非常に重要なことがある。 紗耶「どうしたの?」 夏輝「お前、さ」 紗耶「ん?」 夏輝「お祭り、そのままで行くのか?」 紗耶「そうよ? それがどうしたの?」 ガッデム。やたらのんびりしてると思ったら。 夏輝「祭りといったら、浴衣だろ?」 紗耶「やだよ面倒くさい」 夏輝「んだとコラ」 紗耶「何よ」 夏輝「何だよ」 紗耶「ほんとに面倒なんだよ? 別に普段のままでいいじゃない」 夏輝「いいや良くない」 紗耶「……何が?」 夏輝「俺は、お前の浴衣姿が見たいからだ」 紗耶「な……っ! 何いってんのよバカ」 夏輝「バカとは失敬な。お前の浴衣姿が見たいから見たいと言っているのをバカとは何事だ」 紗耶「そ、そんなに……見たいの?」 夏輝「うん」 紗耶「こういうときだけ返事がいいんだから……」 夏輝「見たいです」 紗耶「わ、わかったわよ。待ってなさい。着替えてくるから」 夏輝「わーい♪」 紗耶「べ……別に、アンタに見せるためだけに着るんじゃないんだからね。勘違いしないでよ?」 夏輝「オーケーオーケー。俺はお前の浴衣姿が見られればなんでもいい」 紗耶「……っ」 紗耶「じゃ、じゃあ着替えてくるから」 夏輝「了承した」 紗耶「……で、なんでアンタがついてくるのよ」 夏輝「え? だって見たいじゃん?」 紗耶「だから、浴衣は見せてあげるって言ってるでしょ?」 夏輝「着替えるところから見たいんだよ?」 紗耶「な……何言ってんのよアンタは! そんなもの、見せられるわけないじゃない!」 夏輝「浴衣に着替えるところなんて、男にとって一生に何度見られるかわからない重要なイベントだぞ?」 夏輝「男にとっての理想郷なんだぞ? ユートピアだぞ? ジョキャリーナだぞ? そこんとこわかってんのか?」 紗耶「ぜんっっっっっぜん、わかんない」 夏輝「なんてヤツだ」 紗耶「着替えなんて、見せられるわけないじゃない」 夏輝「でも、俺は見たい」 ;場所:紗耶の部屋 紗耶「……で、結局、ついてくるわけね」 夏輝「そりゃ当然だろう」 紗耶「はぁ……」 紗耶「わかったわ。この部屋に居ることを許可するわ」 夏輝「やったぁっ」 紗耶「そのかわり……」 ;フェードアウト ;打撃音 夏輝「アッガィっ!」 紗耶「眠ってろ」 ;時間経過 紗耶「……?」 紗耶「夏輝?」 紗耶「ほら、いつまで寝てるの」 夏輝「うーん。むにゃむにゃ」 紗耶「っ!」 夏輝「うーん」 紗耶「ま……まさか」 紗耶「そんなことが」 紗耶「生まれてはじめて聞いたわ」 紗耶「『うーんむにゃむにゃ』を実際に言う人がいるなんて……」 紗耶「天然記念物並よ」 紗耶「大切に保護しないと」 夏輝「……ん。何をごちゃごちゃと」 夏輝「………………………………」 夏輝「おわっとるぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっぅうっ!!!!」 夏輝「着替えおわっとるうううううううううううううううううっ!」 紗耶「当たり前でしょ」 夏輝「俺の……俺の理想郷が……」 紗耶「な……何よ」 夏輝「女の子の浴衣生着替えなんてそう滅多に見られるものじゃないんだぞっ!」 夏輝「それを……それをお前らはっ!」 夏輝「ひでぇ……ひどすぎる!」 夏輝「てめぇらの血は何色だァーっ!」 紗耶「赤いわよ」 夏輝「ひどい……ひどすぎる……」 紗耶「そ……そこまで悲しいの?」 夏輝「当たり前だろ!」 紗耶「私の着替えが見られなかったのが?」 夏輝「紗耶が、とかそういう問題じゃない!」 夏輝「いやむしろ、紗耶はどうでも良い!」 夏輝「生着替えという事に価値があるんじゃないのか!」 夏輝「わかんないか! お前にはわかんないか!」 紗耶「ふーん」 紗耶「私は、どうでもいいんだ」 夏輝「わかん……ない……の……ですか?」 紗耶「ぱき……ぽき……」 夏輝「あ、あの……ほら、言葉のアヤ、って、やつ……です……よ?」 紗耶「問答……」 紗耶「無用ッッ!」 ;打撃音 ;シェイク 夏輝「アッグガィッ!」 ;フェードアウト ;時間経過 ;場所:夏祭り会場 夏輝「ひでぇ目にあった」 紗耶「誰が悪いのよ」 夏輝「俺は悪くない」 あやめ「まだ言うの?」 夏輝「嘘です」 もも「素直が一番だよっ」 夏輝「なんか、お前に慰められると余計に悲しくなる」 あやめ「……ふぅ」 夏輝「にしても、えらい豪華だな」 会場はやけに賑やかだ。 屋台が立ち並び、大勢の客が屋台に詰め寄っている。 なんかこう、祭り、っていう感じだ。 夏輝「なあ、素朴な疑問だが」 紗耶「何よ?」 夏輝「島の総人口と、いまこの場にいる人口があわないような気がするんだが」 圧倒的に、今の人数のほうが多いような気がする。 あやめ「気がするだけよ。人口密度が高くなれば、人が増えたような感じになるのは当たり前ね」 紗耶「そ。アンタの気のせい」 もも「だよだよ〜」 く……。兵力の彼我の差は3倍か。 夏輝「いいな。賑やかな祭りは」 あやめ「そりゃそうよ。お祭りとお正月が、島にとって数少ない大きなイベントだからね」 紗耶「皆、はりきるわよ」 夏輝「そりゃ、そうか」 ざっと見渡しても、屋台の種類は本土の祭りと遜色ない。 むしろ、気合の入り方ではこっちのほうが上だ。 屋台も客も、一体になって祭りを楽しんでいる感じがする。 夏輝「で、これからどうする?」 紗耶「しばらく、屋台を楽しむわよ」 あやめ「ええ。最後に花火があるの。それが最大の楽しみね」 夏輝「へぇ……」 どうせ、小さな島の祭りの花火なんて大したことないだろ。 紗耶「アンタ、こんな島の花火なんて大したことないって思ったでしょ?」 夏輝「だからお前はエスパーか」 紗耶「ふふ。見てからのお楽しみよ」 もも「ね〜」 紗耶「ね〜」 く……なんだこいつら。 もも「あ! お兄ちゃん、ボクこれやりたい!」 夏輝「……あ? スーパーボール?」 あやめ「もも。本当にコレが好きね」 もも「うん! 最近のは角ばってたり、ラメが入ってキラキラしたりしててあなどれないんだよ!」 夏輝「なにがどう侮れないのかわかんないが」 もも「スーパーボールをバカにしちゃだめだよ!」 スーパーボールはバカにしてない。 むしろバカはお前だ。 夏輝「なんつーか、お前って金魚すくいっていう気がするが」 もも「ああ……あれは、いいんだ」 夏輝「そうか?」 もも「うん」 夏輝「そっか。魚の捕獲なんて、お前はいつもやってるからな」 もも「ま、まあ……そんなとこ」 夏輝「? ……まあいいや。やりたいんだろ?」 もも「うん!」 おっさん「ヘイ毎度!」 あやめ「ひとり、お願いね」 おっさん「毎度ありぃ。お、ももちゃん、今年もかい?」 もも「うん!」 おっさん「じゃ、コレ」 もも「はーい!」 おっさん「今年はいくつ取るつもりだ?」 常連だったのか。 もも「20個は越えたいな」 夏輝「なんだその常識を超えた数は」 もも「一昨年の記録が、17個なんだよね」 夏輝「しんじらんねぇ」 おっさん「よし。頑張れ!」 もも「頑張るぞー!」 ;時間経過 もも「ここだっ!」 夏輝「……おお」 紗耶「あ、そこのピンクもキレイじゃない?」 もも「じゃ、それも頂きっ!」 夏輝「おお」 あやめ「その大きいヤツはどう?」 もも「よーし。いくぞっ!」 夏輝「おお……」 ;時間経過 もも「おりゃっ!」 夏輝「……おおお」 もも「そりゃっ!」 夏輝「お……おい」 もも「どうしたの?」 夏輝「だいぶ破れかけてるけど大丈夫か?」 もも「ふぅ……これだから素人は」 もも「ここからが勝負じゃない」 あやめ「そうよ。ここからのももが凄いんだから」 夏輝「……そうなの?」 紗耶「そうよ。黙ってみてなさい」 夏輝「はい」 ;時間経過 もも「あー! やぶれちゃった!」 おっさん「残念だったな」 夏輝「すげぇ……」 なんだ、そのお椀にてんこもりのスーパーボールは。 もも「いち、に、さん……」 もも「あー! 19個だ!」 あやめ「残念だったわね」 もも「くやしーっ!」 紗耶「それでも記録更新ね」 おっちゃん「また来年、チャレンジしなよ」 もも「リベンジだ!」 夏輝「……で、その大量のスーパーボールはどうすんだ」 おっちゃん「好きなの5個選んで、もってきな」 もも「あれ? 3個じゃないの?」 そういう取り決めがあるのか。 おっさん「記録更新のお祝いだ。もってきな」 もも「わーい! おじさん、ありがとう!」 おっさん「いいってことよ」 もも「じゃ、コレとコレと……あと、コレとコレとこの大きいやつ!」 おっさん「また来なよー」 もも「絶対くるからね!」 おっさん「待ってるぞー」 ;時間経過 もも「へへー。いっぱいもらっちゃった」 夏輝「つか、すげーなお前」 もも「崇めるがよいぞ」 夏輝「へへー」 あやめ「記録更新、よかったわね」 もも「うん!」 もも「じゃ、お姉ちゃんはコレ」 もも「紗耶ちゃんはコレ」 もも「で、お兄ちゃんは、コレ」 あやめ「ありがと」 紗耶「ありがとね」 夏輝「お。何。くれんの?」 もも「うん」 夏輝「一番でかいやつじゃん。いいのか?」 もも「うん。いいのいいの」 もも「なくさないでねっ!」 夏輝「お、おう。なくさないぜ」 スーパーボールなんぞ、数日で行方不明になるのが定石だろうが。 あやめ「さて、今度はどこにいく?」 もも「りんご飴!」 夏輝「りんご飴……って、まだあるの?」 あやめ「当たり前じゃない」 夏輝「いや、本土の祭りだとあんま見なくなったからさ」 紗耶「見てないだけじゃない?」 夏輝「そーかなー」 もも「ほらほら。あそこにあるよ!」 夏輝「お、おう」 夏輝「……ん?」 りんご飴の屋台よりちょっと手前に、気になる屋台が。 夏輝「なあなあ」 あやめ「ん? どうしたの?」 夏輝「……ほら、アレ」 あやめ「……射的、ね」 夏輝「あやめ姉、やってみない?」 おっさん「へい毎度」 あやめ「私は……いいわ」 夏輝「どうして?」 あやめ「べ、別に……」 紗耶「ちょっと、夏輝」 夏輝「お、おい。どうしたよ。引っ張るなって」 紗耶「あやめさんはね。射的やっちゃダメなの」 夏輝「なんでだよ」 紗耶「本職が手だしたら、お店の営業妨害になっちゃうじゃない」 夏輝「……そんな理由かよ」 紗耶「あやめさんだって、我慢してるのよ?」 あやめ「気にしないで。私は別にいいから」 夏輝「あやめ姉、やりたいんだろ?」 あやめ「……別に」 夏輝「顔がやりたいって言ってるぜ」 あやめ「……」 夏輝「なあおっちゃん」 おっさん「ん? やるのか?」 夏輝「あやめ姉、別にやってもいいよな?」 おっさん「あぁ……常葉さんとこのお姉ちゃんか……」 おっさん「ちょっと、ご遠慮願いたいところだが」 夏輝「なんでよ?」 おっさん「あやめちゃん、プロだろ? 景品ぜんぶ持っていかれたら、こっちも商売あがったりだよ」 あやめ「夏輝! ……いいって」 夏輝「よくないって。いいかおっさん。祭りってのは皆が楽しむもんだろ? あやめ姉だって楽しみたいんだ。それを悲しませるのが祭りなのか?」 おっさん「いや、理屈としてはわかるんだがな」 夏輝「じゃあ、それでいいじゃないか。やらせてあげてよ」 おっさん「しかしだな……」 夏輝「じゃあ、こうしよう」 夏輝「一回限り。で、3発の玉で何個取ろうと、景品は一個だけ。それならいいだろ?」 おっさん「う、うむ……」 夏輝「な、ほら。今日は祭りだ。楽しくやろうよ」 おっさん「……そうだな。兄ちゃんの条件を飲もう。祭りは楽しくやらねーとな」 夏輝「そうこなくちゃ!」 あやめ「……あ、ありがと」 夏輝「いいって。じゃ、これお金ね」 おっさん「じゃ、玉は3発限りな」 夏輝「はい、あやめ姉。がんばって」 あやめ「……うん。がんばる」 紗耶「夏輝も、たまにはいいことするじゃない」 もも「えへへ。なんたってお兄ちゃんだからね!」 紗耶「なんであんたが嬉しそうなのよ」 もも「なんでだろうねー?」 あやめ「じゃ……いくわよ」 ;BGMとめる うお。あやめ姉がライフルを構えた瞬間、空気が変わった。 周囲の喧騒も、あやめ姉の耳には届いてないみたいだ。 俺も、紗耶も、ももも。 おっさんですら、息を潜めてあやめ姉に見入っている。 玩具の短いライフルですら、あやめ姉が持つと本物のように錯覚する。 あやめ姉はじっと、狙いを定める。 あやめ「っ!」 ぱんっ ライフルの銃口から発射されたコルクの栓は、かすかな放物線を描きながら、景品に向かって飛んでいく。 夏輝「うおお!」 コルクの栓は小さなクマのぬいぐるみに当たり、ぬいぐるみはその衝撃で後ろへ倒れる。 おっさん「お見事」 あやめ「次……は」 ライフルの銃口に、次のコルク栓を装填する。 そして、再び構える。 あやめ「……っ」 ぱんっ ことん なんかよくわかんないけど、高価そうな時計が後ろへ倒れた。 おっさん「ソレを取られたかー」 あやめ「最後……」 紗耶「やっぱ、すごい……」 もも「へへー。お姉ちゃんはすごいんだぞ」 あやめ「……」 ぱんっ …… ことん 夏輝「す……すげぇ」 最後は、小さな箱に当たった。 すぐには倒れず、ゆらゆらと少しばかり揺らめいて、最後には無事、倒れた。 あやめ「……ふぅ」 あやめ「……」 おっさん「いやー。お見事。さすがあやめちゃんだ」 あやめ「……っごい」 夏輝「え?」 あやめ「すっっごい、気持ちいいわ」 夏輝「そうだろうね」 全弾命中、だもんな。そりゃ気持ちいいだろ。 おっさん「じゃ、約束どおりだ。倒したヤツの中から、一個だけ選びな」 小さなぬいぐるみと、高価そうな時計と、小さな箱。 箱の中身は……なんだろうな。気になる。 あやめ「じゃ、このぬいぐるみ」 夏輝「時計とかじゃなくていいの?」 箱が気になる。 あやめ「うん。これがいいの」 おっさん「助かるよ」 時計とか高価そうだもんな。 っていうか箱の中身はなんなんだ。 あやめ「ありがと。嬉しかったわ」 夏輝「ん、いや、こっちもいいもの見せてもらった」 あやめ「ふふ……」 あやめ「このぬいぐるみ、大切にするわ」 っていっても、安っぽそうなぬいぐるみなんですが。 あやめ姉はとても大切そうに抱きしめる。 ……いいなぁ。 あのぬいぐるみになりたいなぁ。 紗耶「……」 夏輝「いててててていたいいたいいたいですよ紗耶さん」 紗耶「……ふんっ」 もも「はい、どうぞっ」 夏輝「お? ……りんご飴か。買ってきたのか?」 もも「うん。お姉ちゃんが射的やってる間に、紗耶ちゃんと買ってきたの」 夏輝「そっか。サンキュ」 紗耶「夏輝にはあげなくてもいいわ」 夏輝「俺が何をした」 紗耶「自分の胸に手をあてて聞いてみなさい」 むしろ、胸に手をあててみたいのはあやめ姉…… 紗耶「……っ」 夏輝「ゴメンナサイ」 紗耶「わかればいいのよ」 あやめ「?」 紗耶「な、なんでもないわ。次はどうする?」 夏輝「そうだなー」 清理「そこ行くお兄さんお姉さんちょっと寄っていかないかのぅ」 夏輝「清理さん……こんなところで何やってんですか」 清理「ふむ。見てわからぬか?」 もも「占いだー」 清理「左様。特別に計らってもろうての」 あやめ「へぇ。清理さん、占いもできるんですか」 夏輝「なんか、巫女さんと占いっていまいちピンとこないんだけど」 清理「何を言うか。陰陽五行に基づく由緒正しい占いじゃぞ」 清理「そもそも、陰陽五行は中国占星術の分野のひとつでの……」 夏輝「長くなりそうだから次いきますね」 清理「ちょ、ちょっと待つのじゃ!」 あやめ「占いなんて、滅多にやらないからちょっと興味あるわ」 もも「ボクもボクも〜」 紗耶「っていうか、本業の人に占ってもらえるなんて滅多にあるチャンスじゃないわよ」 清理「御主ら……良い子じゃのう」 清理「それに引き換え……」 夏輝「え? 俺?」 夏輝「俺が悪いの?」 夏輝「あれはギャグですよギャグ。そこんとこよく理解してくださいね」 清理「ふむ。そうか」 清理「ならば、お主らは特別にロハで占うてやるでの」 もも「やった! らっきぃっ!」 紗耶「ありがとうございます……でも」 あやめ「そうね。お代はちゃんと払います」 清理「ふむ。じゃが、知らぬ仲でもないからの。遠慮は無用じゃ」 あやめ「ありがとう。じゃ、今度なにかお礼させてもらうわね」 清理「うむうむ」 清理「じゃ、誰から占うのかを決めい」 もも「ボク、ボク! ボクから!」 あやめ「こら、もも」 もも「だってぇ〜」 清理「良い良い。喧嘩するでない」 清理「それほど時間がかかるものでもないからの」 もも「やった!」 清理「では、ももどのから……」 清理「こちらの紙に、名前と生年月日を書くがよい」 もも「はいはーい」 清理「出生時刻はわかるかの?」 もも「生まれた時間ですか……わかんないです」 あやめ「たしか、こうよ」 もも「ほへ。そうだったんだ」 夏輝「出生時刻とか、本格的だな」 清理「……誰に向かって言っておるのじゃ?」 夏輝「あ……すいません」 この人、本物なんだよな。 よく忘れるけど。 清理「で、何を占うのか?」 もも「恋愛運!」 紗耶「……っ」 あやめ「……」 夏輝「……」 清理「……」 お前は何を言い出すんだ。 ほら空気が固まった。 清理「ふ……ふむ。悪くはないようじゃの」 ;============================================ ;以下フラグで変化 ;============================================ ----------------------------------------------- ;ももルート確定時 清理「そう遠くない将来、お主の望む相手から告白されるかもしれぬ」 夏輝「……」 もも「え! ほんと!」 紗耶「そ、そんなことがわかるんですか」 清理「うむ……じゃが、まあ……当たるも八卦、というからの」 もも「えへへ〜嬉しいな〜」 夏輝「……」 清理「お主、何を黙っておるのじゃ?」 夏輝「い、いえ。なんでもありませんよ」 紗耶「……」 あやめ「……」 もも「えへへ〜」 ほら……この微妙な空気をどうしてくれるんだ。 ----------------------------------------------- ;ももルート非確定時 清理「じゃが、お主に恋人ができるのは、まだまだ先のようじゃ」 もも「え〜つまんな〜い」 もも「ボク、お兄ちゃんと恋人になりたいのに〜」 清理「……」 あやめ「……」 紗耶「……」 夏輝「……」 お前は…… ;分岐ここまで ;============================================ 清理「さ、さて。次は誰かの?」 紗耶「じゃ、私、いいですか?」 清理「うむ。紗耶どのは何を占うかの?」 紗耶「え、っと……総合運とか」 さすがお前は空気が読める子。 清理「あいわかった。では……」 紗耶「……」 清理「ふむ」 ;============================================ ;以下フラグで変化 ;============================================ ----------------------------------------------- ;紗耶ルート確定時 清理「今年いっぱいは、ちょっと苦しいかもしれぬの」 紗耶「そうですか」 清理「じゃが、案ずることはない。お主を手助けしてくれる者が現れて、きっとうまく行くであろう」 紗耶「手助け? 誰だろう」 清理「身近な者を、大切にするが良い」 紗耶「はい。わかりました」 ----------------------------------------------- ;紗耶ルート非確定時 清理「商売繁盛、家内安全。順風満帆なにごともうまく行くであろう」 紗耶「ふぅ……よかった」 清理「じゃが、慢心するでないぞ。どこにも危機は潜んでおるからの」 紗耶「わかりました」 ;分岐ここまで ;============================================ あやめ「じゃ、次は私でいいかしら?」 清理「あいわかった。では、お主は何を占う?」 あやめ「そうね……仕事運でお願いします」 清理「ふむ。お主らしいの。……では」 ;============================================ ;以下フラグで変化 ;============================================ ----------------------------------------------- ;あやめルート確定時 清理「そう遠くない将来、新しい相棒ができるようじゃ」 あやめ「……」 清理「じゃが、そこに至るまでの困難を乗り越えねば、それは叶わぬ」 あやめ「……」 清理「お主自身が強くあれば、何事もうまく行くであろう」 あやめ「……わかりました」 ----------------------------------------------- ;あやめルート非確定時 清理「非常に良い、とは言わぬが、かなりの収穫が得られるであろう」 清理「常に感謝を忘れず、己を磨き続けることじゃ」 あやめ「……わかりました」 ;分岐ここまで ;============================================ 清理「さて、最後はお主じゃの」 夏輝「あ……俺は、いいです」 清理「なぜじゃ?」 夏輝「そういう清理さんはどうなんですか?」 清理「わっちか? 占いは、自分で自分を占うことはできぬからの」 夏輝「そうなんですか」 清理「で、お主は本当にいいのか?」 夏輝「はい……とくに、占ってもらうこともありませんし」 清理「ふむ……無欲なやつじゃの」 夏輝「そういうわけじゃないですけど」 紗耶「せっかくだから、占ってもらいなさいよ」 もも「そうだよ〜」 夏輝「いや、俺は『占ったら死んじゃう病』にかかってるんだ」 紗耶「嘘よ」 もも「嘘だね」 まあ、確かに本業の人に占ってもらえる機会なんて滅多にないけど。 紗耶「これ、夏輝の生年月日です」 夏輝「何ィっ!」 紗耶「時間はわかりませんが」 清理「よいよい。わからずとも、ある程度は占えるからの」 紗耶「じゃ、コイツも恋愛運を占ってもらおうかしら」 清理「……」 もも「……」 あやめ「……」 夏輝「……」 夏輝「お前は何を勝手に」 紗耶「いいじゃないの。どうせ彼女もいないんだし。占ってもらえば?」 夏輝「……紗耶ちゃんがいじめます」 清理「……ふむ」 結果でたのかよ。 なんか怖い。 ;--------------------------- ;紗耶、もも、あやめ、清理、楓ルート確定時 清理「きっと、お主の望みは叶うであろう」 清理「じゃが、それには……」 夏輝「それには?」 清理「お主自身が、勇気をもって困難に立ち向かい、それを乗り越えねばならぬ」 夏輝「……」 清理「それを乗り越えたとき、お主の望む者は、お主の隣にいることじゃろう」 清理「……と、ある」 夏輝「そうですか」 夏輝「……なんにせよ、希望はあるわけですね」 清理「そういうことじゃの」 清理「どのような困難かはわからぬが、気を引き締めるが良いぞ」 夏輝「ありがとうございます」 清理「良い良い」 ;清理ルート確定時は以下に続く 彦麿「(クク……)」 夏輝「(……お前か)」 彦麿「(困難、か)」 夏輝「(何が言いたい)」 彦麿「(お主に、乗り越えられるのか? と思うてな)」 夏輝「(乗り越えるのは、俺だけじゃないからな)」 夏輝「(二人で、一緒に乗り越えると約束した)」 彦麿「(クク……。楽しみにしておるぞ)」 夏輝「(……チッ)」 清理「ん? どうしたのじゃ?」 夏輝「いえ、なんでもないです」 ;--------------------------- ;誰のルートにも入らないとき 清理「ふむふむ」 夏輝「ふむ?」 清理「しばらくは、独り身を謳歌するが良い、とある」 夏輝「……つまり、彼女はできないと?」 清理「そういうことじゃの」 夏輝「あぁ〜」 絶望した。 ;--------分岐ここまで-------- ;以下個別イベントへジャンプ ;誰のルートにも入らないとき「共通:花火」イベントへジャンプ