僕と君の夏休み
紗耶シナリオ00:「小翠紗耶 との出会い」

背景:black
BGM:"変わらない日常"

夏輝 「ん……」

目が覚める。

背景:"white"
ゆっくりと

目を開けると、眩しい光が差し込んでくる。

背景:"black"

夏輝 「うおっまぶしっ」

?紗耶 「あ、起きたんだ」

女の子の声だ。

俺はゆっくりと、目を光に慣れさせながら開いていった。

背景:"叙瑠樹居間"

俺が起き上がると、目の前には女の子が座っていた。

夏輝 「俺……どうして……いてて」

首筋に激痛。

夏輝 「そうか……俺、誰かに蹴りを……」

?紗耶 「覗こうとしたアンタが悪いんだからね」

そうだ。思い出した。

風呂から出てきた女の子に、素晴らしいハイキックを貰ったんだ。

夏輝 「違う……顔を洗おうとしただけだ」

?紗耶 「そう……一応、信用してあげる」

夏輝 「それはありがたい」

?紗耶 「夏輝……だよね?」

夏輝 「うむ。俺が夏輝だが質問ある?」

?紗耶 「別に無いわ」

すばらしいツンツン具合だ。

?紗耶 「ここに泊まるの、今日からだっけ?」

夏輝 「あ、うん。つかお前、紗耶か?」

紗耶 「見てわかんない?」

夏輝 「わかんなかったから聞いている」

紗耶 「呆れた……幼馴染の顔も忘れるのね」

夏輝 「その幼馴染に久しぶりに出合った瞬間に蹴りかましたのはどこのどなたかな」

紗耶 「そ! それはアンタが覗こうとしたからでしょ!」

夏輝 「だから誤解だって!お前が風呂に入ってるなんて思いもしなかった!」

嘘だけど。

紗耶 「そ、そう……ならいいわ」

夏輝 「しかしあのハイキック、すごい威力だったな」

紗耶 「ビ○ーのおかげよ」

夏輝 「お前もか」

よくよく考えたら、バスタオル巻いただけのハイキック……見えたかもしんないな。勿体ねぇ。

夏輝 「そうだ。お前、港まで迎えに来るって話じゃなかったか?」

紗耶 「暑いから、シャワー浴びてから行こうと思ったのよ」

悪びれる様子もない。

夏輝 「待ちくたびれた挙句に魚持たされて一人でここまで歩いてきた俺の立場っていうものは」

紗耶 「はいはい。遅くなってごめんなさいね」

くそ。むかついてきた。このアマいつか

紗耶 「何?」

夏輝 「ナンデモゴザイマセン」

紗耶 「ところで、魚って?」

夏輝 「あぁ、台所に置いてある。おっさんに持たされた」

紗耶 「あ、お願いしといたやつだ」

夏輝 「デカいし動くし重いし大変だったぜ」

紗耶 「そ。じゃあ、あたし夕食の準備があるから適当にゴロゴロしといて」

夏輝 「夕食って……早くないか? まだ昼すぎたばかりだろ」

そういや昼飯食ってねーや。

紗耶 「仕込みとかいろいろあるのよ」

夏輝 「客いないのにか」

紗耶 「死にたい?」

夏輝 「トンデモアリマセン」

それにしても、口の悪い女だ。

顔は整ってるし、ショートカットも似合っている。

一言で言えば可愛い。

スタイルも良い。

タンクトップにショートパンツも似合っている。

胸は……小さめか。

……胸?

よくよく見ると、胸の真ん中の部分が少しだけ出っ張っている。

ノーブラ?

紗耶 「な……なによ。人のことじろじろ見て」

夏輝 「なあ紗耶よ」

紗耶 「何?」

夏輝 「いくら胸が小さいからって、ブラくらいしろよな」

紗耶 「な……ッ!」

SE:"紗耶パンチ"
クェイク 500

夏輝 「ノ゛ァ゛ッ」

光の速度より早く、紗耶の左ストレートが俺の頬を捉える。

背景:"black"

そして再び、俺の意識は闇に沈んだ。

背景:"叙瑠樹居間夕"
BGM:"ちゃっちゃちー♪"

俺が再び目を覚ますと、周囲は既に薄暗くなってきていた。

紗耶の姿は見えない。

……放置ですか。

夏輝 「痛てて……」

頬をさすりながら、紗耶の姿を探して徘徊することにした。

くんくん。

台所方面から、いい匂いが漂ってくる。

背景:台所
背景:"厨房夜"

紗耶 「あ、起きたんだ。もうすぐご飯できるから、ちょっと待っててね」

どうやらもう怒っていないらしい。

夏輝 「お……おう」

鼻歌歌いながら料理する女の子っていいなぁ。

紗耶 「お風呂でも入ってきたら?ゲロ以下の匂いがぷんぷんするよ?」

お前もそれを言いますか。

夏輝 「そうだな……汗かきまくったし、先に入らせてもらうか」

背景:black

ひひひひひ日焼けがいたたたたいたいいたいいたよボスケテ

BGM:"ちゃっちゃちー♪"
背景:"叙瑠樹廊下"

夏輝 「ふいー。さっぱりしたー」

紗耶 「ご飯の準備できてるわよ」

背景:"叙瑠樹居間夜"

夏輝 「うお……これは」

客用の広い食卓には、豪勢な料理が並んでいた。

さすが旅館。というか食べきれるのかコレ。

夏輝 「すげー。これ、お前一人で?」

紗耶 「そうよ? いつもと同じだけどね」

夏輝 「いつもって……お前、普段からこんなに食うのか? 太るぞ」

紗耶 「うっさいわね! アンタのために手間かけたのにそういうこと言う?」

夏輝 「ゴメンナサイ」

なんか、こう……勝てない。

紗耶 「じゃ、食べましょう」

夏輝 「いただきまーす」

紗耶 「いただきます」

テーブルの中央に鎮座している大きな魚の刺身を一切れ。

ぱく。

夏輝 「こ……これは……!」

スーパーで買ってきた魚なんて比べ物にならない。

夏輝 「なんだこれは……!」

紗耶 「アンタが持ってきてくれた魚よ。焼こうと思ったけど刺身にしたわ」

夏輝 「これお前がサバいたのか? すげぇプロ並じゃん」

味もそうだが、見た目も綺麗に飾ってある。

とても女子高生の料理とは思えない。

紗耶 「そ……そう? 一応、旅館の娘だからね」

夏輝 「煮物も汁もうめー。こんな料理食ったことねーよ」

紗耶 「べ、別にアンタのために手間かけたわけじゃないからね」

先ほどと言ってることが矛盾してますが。

紗耶 「お父さんとお母さんにアンタの世話頼まれてるから仕方なしにやっただけよ」

夏輝 「ふーん?」

確か、こっちに来いって言ってたのは紗耶だったと記憶しているが……

紗耶 「何よ?」

夏輝 「別に。その煮物貰っていいか?」

紗耶 「あ、うん。欲しかったらどんどん食べていいからね」

夏輝 「さんきゅ。うめーからどんどん入るぜ」

紗耶 「そう? あ、ありがと」

………

……

背景:叙瑠樹居間夜

人間、やればできるもんだ。全部平らげてしまった。

おかげで腹んなかパンパンだぜ。

紗耶 「アンタの部屋、2階にあるから」

夏輝 「おう……ちょっと荷物置いてくるわ」

紗耶 「疲れてるだろうし、寝ちゃってもいいわよ」

夏輝 「そんときに任せる」

紗耶 「そ。じゃああたしは片付けするから」

夏輝 「おう。ごちそーさま」

紗耶 「お粗末様でした」

ぜんぜん粗末じゃなかったけどな。

背景:black

………

……

背景:夏輝の部屋

夏輝 「食いすぎたー」

鞄を放り出し、服を脱いでそこらに投げ捨て、ごろんと横になる。

夏輝 「畳っていいなー」

ベッドとはまた違う味わいがある。

夏輝 「疲れたなー」

ほんとに疲れた。

昼からほとんど寝てた気がするが、それはむしろ気を失っていたと言うほうが正しいだろう。

余計に疲れた。

しかし、紗耶のシャワー上がりの姿はしっかりと脳髄に焼き付いている。

いつでも再生可能だ。

背景:black
紗耶 服:バスタオル 表情:通常

ほら、このように……

立ち絵:なし
SE:"ドンガラ"

ドン!

背景:myroom_night

夏輝 「うお!」

なんか下から物凄い音がした。

夏輝 「しかし、ほんとに疲れた……」

瞼を閉じる。

今日はゆっくり寝られそうだ。

俺はすぐに、夢の世界に落ちていった……

これから俺を待っているのが、痛みだけじゃありませんように……